ひさびさのブックレビューです。
今回読んだのは奥田英朗の「家日和」です。通勤の行き来2日ほどで読み終えてしまえる読みやすさです。今回の作品は、6本の短編で、30代~の家庭の風景を切り取ったドラマです。2編、面白かったものをピックアップしてみます。
「ここが青山」は、主人公の裕輔の会社が倒産して主夫になるという話。倒産を妻に臆することなくメールで告げます。《ビッグなサプライズ。本日当社倒産!》これが言えなくて、毎朝漫画喫茶に出勤する人もいるというのに。物語は倒産した後から始まって、近所づきあいや気遣いや同情に揉まれて「人間(ジンカン)いたるところに青山(セイザン)あり。」という主題で綴られたオトコと台所のドラマです。
これはオレも料理するのが好きだからかなり共感できました。今はソフトエンジニアやってますが、主夫でもやっていける気がします。お金があればね。あははは。フットワーク軽く生きたいものです。
もうひとつは、「妻と玄米御飯」です。これはかなり面白かったです。主人公は、今年、文学賞をとりベストセラーを出した康夫という小説家。大金が転がり込むと心に余裕生まれます。妻にも。
康夫の妻がロハスに目覚めてからというもの、食卓に並ぶ御飯は玄米ごはん。週に2度はヨガに行き、エコボトルを買う。(ヨガは俺も行ってたww)康夫は、おとぼけやユーモアを好み、流行などには懐疑的な姿勢で望む人間で、有体に言うと天邪鬼である。さらに「小説家」なものだから、このロハスと、それを取り巻く家庭や近所づきあいの環境がネタにならないわけがない。かといって、ネタにすると近所付き合いが危ぶまれる。が、それ以外のネタでは筆が進まない。つまり、ロハスをバカにする気満々なのである。が、妻のやることをバカにしたいわけでもない。というお話。
最近スィーツ(笑)なんて、マスコミとそのマスコミにタゲられている女性を揶揄する言葉が流行りましたが、これとリンクする内容かも知れません。
どんな主義主張や思想にもそのほころびや矛盾というものは内在するもので、強固にその正しさだけを扱うから、疎まれたりするんじゃないかと思います。ゆるりと浸透させたほうが効果的な気がしませんか。ロハスもエコも。まぁ急いでるのかもしれませんけど。あはは。



